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2021 年電気保安統計

安全性

フルークは、お客様の安全を最優先にしています。電気保安に関する取り組みを行うときは、ツールの品質が重要になります。なぜなら、ツールはお客様を感電から防止するものとなるからです。しかし、職場の安全性は、手の中のツールだけで保たれるものではありません。フルークでは、今日の職場における安全文化を比較検討するため、電気技師と電気作業者に対して 2 年目の調査を実施しました。

2021 年電気保安統計

目次

 

コロナ禍の影響

この調査は 2021 年初頭に実施され、511 人の電気作業者から回答を得ました。今回の調査のタイミングを踏まえ、コロナ禍が業界に与える影響についても尋ねました。今回の調査は、昨年調査した地域と同じ地域を対象としていますが、作業者がパンデミックの影響をどれほど受けているかについて調べることが、本年の調査データにとっては重要な要素となります。

得られた回答のうち、回答者の 90 % が、パンデミック時にエッセンシャル・ワーカーであると見なされたと回答しています。85 % の人は、ロックダウン中も作業を安全に続けることができたと感じています。

不可欠な業務 (2021 年保安調査)
調査回答者の業務の 90 % が、パンデミックによるロックダウンのときに不可欠な業務であると見なされました。


コロナ禍における作業 (2021 年保安調査)
調査回答者の 85 % が、パンデミックによるロックダウンのときに業務を続けることができました。
 

しかし、私たちは現時点で 1 年以上もコロナ禍の影響に対処していますが、電気作業者は、安全に対する企業の取り組みが増えていると見ていないようです。パンデミック以降に安全性がより真剣に受け止められていると答えたのは、回答者のわずか 38 % でした。


コロナ禍以降の状況 (2021 年保安調査)
コロナ禍の発生以降に作業の安全性がより真剣に受け止められていると考えているのは、回答者のわずか 38 %。

職場における安全文化

昨年の調査と同様に、2021 年は回答者の 98 % が、作業者の安全を保つには強い安全文化が重要であると考えています。しかし、ほとんどの企業に強い安全文化があると考えているのはわずか 38 % で、同回答者の 96 % は、職場内の電気保安についてまだ改善の余地があると述べています。

安全文化 (2021 年保安調査)
回答者の 98 % が、作業者の安全を保つには強い安全文化が重要であると考えています。


強い安全文化 (2021 年保安調査)
ほとんどの企業に強い安全文化があると考えているのはわずか 38 % です。
 

2020 年の調査では、回答者の 99 % が強い安全文化が重要だと述べ、ほとんどの企業に強い安全文化があると答えたのは 44 % でした。昨年、職場内の電気保安について改善の余地があると答えたのは、回答者の 99 % でした。

安全文化 (2020 年保安調査)
2020 年の調査では、回答者の 99 % が強い安全文化が重要だと述べました。


強い安全文化 (2020 年保安調査)
2020 年の調査では、44 % がほとんどの企業に強い安全文化があると述べました。
 

安全の文化を築く

ほとんどの企業で十分な安全教育が行われていると考えているのは、回答者のわずか 25 % です。この調査では、371 人の電気作業者が、十分な安全教育が行われているかという問いに対して、まったくそう思わない、そう思わない、またはどちらとも言えないと回答しています。

教育 (2021 年保安調査)
ほとんどの企業で十分な安全教育が行われていると述べたのは、回答者のわずか 25 % です。
 

米国労働安全衛生局 (OSHA) によれば、2018 年の民間企業の労災死亡者 4,779 人のうち、8.5 % は感電が死因であるとのことです。過去の統計情報と今回の調査で明らかになったことを見て、Predictive Solutions の安全専門員であるチャンク・ペティンガー博士は、組織内で安全文化を築くための 3 段階の方法を提案しています。 

1.研修プログラムを整備する

  • 全従業員が常に最新情報を得られるように、時間をかけて全員に対して定期的に教育を行います。

2.安全に関する事項に作業者を関与させる

  • 研修中に気を抜かせないよう、対話型の安全ミーティングを実施して、作業者を安全プログラムの一員として関与させます。

3.安全についての伝え方を変える

  • 安全についてどのように話すかが、社内の雰囲気を決定づけます。マネージャーは、起こり得る危険な行為を教育材料として用いながら、規則は従業員のためのものであることを示す必要があります。

責任

2020 年にフルークがこの調査を実施したときは、約 50 % が、業務上の自らの安全について、他の者が責任を負っていると回答しました。2020 年は、この回答に変化はありませんでした。回答者の 48 % は、従業員が自らの安全の責任を負っていると考えており、残りの 52 % は、会社の責任者、安全管理者、上司、人事部などの他の者が責任を負っていると述べています。

責任 (2021 年保安調査)
2021 年は、52 % が業務上の自らの安全について他の者が責任を負っていると述べています。


責任 (2020 年保安調査)
2020 年は、約 50 % が業務上の自らの安全について他の者が責任を負っていると述べています。
 

個人用防護具 (PPE)

調査の残りの回答においては、傾向の継続が見られており、2021 年は回答者の 82 % が、電気技師は自らの環境において、適切な PPE の着用に関する安全手順を省いていると回答しました。2020 年に調査が実施された時点では、85 % が、不便という理由からこうした手順を省いていると述べています。 

米国労働安全衛生局全米防火協会 (NFPA) の双方は、電気設備周辺での PPE の使用に関する規則および規制を展開しています。NFPA 70E には、自らが置かれるさまざまな職場の状況において着用すべき PPE のレベルが文書化されています。しっかりとした PPE ガイドラインや作業現場周辺の安全に関する規制に従うことは、アーク・フラッシュ発生時の自らの安全を確保するのに役立ちます。 
 

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2021 年、回答者の 82 % が PPE の手順が面倒であるため省いていると述べています。


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2020 年、回答者の 85% が PPE の手順が面倒であるため省いていると述べています。
 

電気保安に関する指数

  • 2018 年の労災死亡者数は 4,779 人
  • 2018 年の感電死亡者数は 86 人 (8.5 %)
  • 米国では毎日 5 ~ 10 件のアーク事故が発生
  • 電気作業者 3 人のうち 1 人がアーク・フラッシュを経験
  • 95.9 % が、作業者の安全を保つには強い安全文化が重要であると回答
  • 61.8 % が、ほとんどの企業に強い安全文化がないと考えている
  • 作業者の 52 % が、安全については他の者が責任を負っていると考えている
  • 82 % が、不便という理由から電気技師が PPE の使用を省いていると考えている