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部分放電テストと監視

漏れ検出

部分放電 (PD) は、早期に発見して位置を特定しておかないと危険であり、高いコストが発生することになります。空隙や放電は、部分放電に該当し、設備を損傷させたりアーク・フラッシュを発生させたりする傾向が最も高いものです。超音波カメラを使用して圧縮空気やガス漏れを音で検出する方法と同様に、超音波カメラを、部分放電の検出にも使用することができます。

Fluke ii910

部分放電は、超音波の周波数域の音を放出します。Fluke ii910 Precision Acoustic Imager などの感度の高い超音波カメラを使用すれば、部分放電を検出して位置を正確に特定することができます。ii910 は、可視画像の上に音のマップを重ねて表示するので、音の位置の特定が簡単になります。

部分放電が見つかる場所

一般的に、PD は高電圧が存在する場所で発生しており、さまざまな種類の欠陥が電気的にストレスを受ける部分を生じさせて、最終的に破壊に至ります。間隙放電は、絶縁体の間隙での破損を原因とするものです。一方、表面トラッキングは、汚染された絶縁体を原因とするものであり、絶縁体の外部で発生します。これらは、送電システムや配電システムなどの高電圧設備、さらには発電機やモーターなどの高電圧電気機器で発生する可能性があります。

部分放電は時間の経過とともに機器を損傷するため、多くの場合は、損傷の程度を判断することが困難です。Fluke ii910 Precision Acoustic Imager を使用した定期検査により、初期の検出と監視が迅速かつ簡単になります。単に設備全体をスキャンして、潜在的な問題を探すだけです。システムの接続ポイントに焦点を絞るのも有効です。なぜなら、それらのポイントは部分放電が最も発生しやすい場所だからです。

Fluke ii910 を使用すれば、超音波カメラや部分放電検出の経験は不要です。

PD テストでの Fluke ii910 の使用

ステップ 1: パワーオン。電源ボタンを 2 秒以上押したままにして、Fluke ii910 Precision Acoustic Imager をオンにします。

ステップ 2: メニューの表示。ツール・メニューを表示するには、指でディスプレイをタップします。(メニューを非表示にするには、ディスプレイ上のメニュー以外の場所をタップします)

ステップ 3: キャプチャ・モード。キャプチャ・モードのアイコンをタップして選択します。

  • 画像モード、ビデオ・モード、または PDQ モードを選択します。

ステップ 4: フォルダーの作成。フォルダーを使用してファイルを整理します。新しいファイル・キャプチャは、ディスプレイに表示されるフォルダー名に保存されます。フォルダー名またはタイム・スタンプでファイルを確認するオプションがあります。

  • ディスプレイの下部に表示されているフォルダー名をタップします。([Create Folder (フォルダーの作成)] オプションとともに、フォルダー名のリストがポップアップ表示されます)
  • キーボードを使用して、新しいファイル名を入力します。

ステップ 5: イメージャーを向ける。理想的な距離は 1 ~ 8 m です。見通し線が良好な場合、最大 21 m の長距離を適用できます。

ステップ 6: 周波数帯域。デフォルトの周波数帯を開始点として使用します。

Fluke ii910

ステップ 7: 検出とキャプチャ。どのような画像キャプチャ・モードであっても、プロセスは簡単です。カメラを測定対象領域に向けます。測定対象領域がはっきりと表示されたら、[Capture (キャプチャ)] ボタンを押します。

  • 画像モード。[Capture (キャプチャ)] ボタンを押して静止画像を保存します。画像を保存すると、小さな画像 (サムネイル) が画面に表示されます。
    • メモ、写真メモ、またはタグを画像に追加するには、画像アイコンをタップします(後で実行できます)。
    • (注:画像モードは、音像を含むシーンの静止画をキャプチャし、.png または .jpg 形式で保存します)
  • ビデオ・モード。[Capture (キャプチャ)] ボタンを押して録画を開始します。
    • 録画を停止してビデオを保存するには、もう一度 [Capture (キャプチャ)] ボタンを押します(後で実行できます)。
    • ビデオ・アイコンをタップして、ビデオにメモ、ビデオ・メモ、またはタグを追加します。
  • PDQ モード。図に示す円形の領域内に音があることを確認します。
    • [Capture (キャプチャ)] ボタンを押して録画を開始します。カメラが、約 1.5 秒間のデータを自動的にキャプチャします。

ステップ 8: ファイルの転送。付属の USB ケーブルを使用して Fluke ii910 を PC に接続します(USB ドライブが、PC のドライブのリストに追加されます)。

  • 追加した USB ドライブを開いて、保存した画像またはビデオ・ファイルを表示します。
  • 目的のファイルをローカルの PC のドライブにコピーします。
  • 転送が完了したら、PC から USB ドライブを取り外します。

ステップ 9: 電源オフ。電源ボタンを 1 回押します。画面で [OK] をタップします。

部分放電レポート

すべての画像とビデオが PC に転送されると、Fluke ii910 Precision Acoustic Imager のオンライン・レポート・ジェネレーターにより、短時間で包括的なレポートを作成できます。レポートは、特定された問題に対処するために、マネージャーや他の担当メンテナンス技術者と共有できます。また、修理後にその有効性を確認するために、これらのレポートを参照することもできます。