ミニ定点セル

定点セルで校正作業をシンプルに

ミニ・セルでは、定点の実現および維持が簡単に可能です。ミニTPWセルの場合、9210メンテナンス装置に挿入するだけで自動的に水の三重点を実現、維持することができます。水の三重点の実現にかかる時間はわずか5分で、安定状態は一日中維持されます。

同様に、インジウム、スズ、亜鉛、アルミニウムの定点の実現および維持は9260ミニ・セル用メンテナンス装置で自動化できます。凝固点だけでなく、融点の実現も可能で、融点の方が校正作業は簡単です。参考文献としてハートより、"The Comparison Between the Freezing Point and Melting Point of Tin(スズの凝固点と融点の比較)"という論文が発表されています。これらのミニ・セルは、通常サイズの定点セルと同じ材質、方法で製造されています。実際、ミニ・セルはハートの従来の定点セルとほぼ同じレベルの不確かさを実現することができます。使用するプローブはわずか229 mmです。仕様表には各セルの挿入長および不確かさが記載されています。

これらのセルは、RTDおよびPRTの高精度な校正だけでなく、SPRTの精度の検証にも最適です。SPRTを再校正するまでの間も、精度のチェックを時々行うことがいかに重要かは、SPRTによる比較校正を行っている方なら、ご理解いただけることと思います。これらのセルは使いやすく、メンテナンスも簡単なので、確認作業も簡便に行うことができます。

また、RTD や PRT の高確度校正のほか、これらのセルは SPRT の確度の検査にも最適です。SPRT の比較校正を実施しているならば、再校正の間に確度を定期的に確認する重要性は理解されているはずです。これらのセルは使用と保持が容易なので、検査のチェックは単純で手軽です。

メタル・ケース・セル

メタル・ケース・セルも9260メンテナンス装置で使用可能です。これらはケースにステンレス・スチールを採用しているため、破損の危険なく簡単に使用、移送できます。また、他のセルに比べて挿入長が深いため、不確かさも優れています。

これらのセルの取り扱いは予想されている以上に簡単です。凝固点の測定と融点の測定を比較した、Xumo Li著の論文は無料でお読みいただくことができますし、より高度なトレーニングをご希望の場合には、アメリカにあるフルーク・キャリブレーションのラボでのトレーニングを受講していただくこともできます。