ITS-90 定点セル
主な機能
- 最低でも99.9999%(6s)、多くの場合99.99999%(7s)の純度の金属サンプルで構成。
- アルゴンから銅まで、すべてのITS-90固定点を使用可能
- 安定期は数日間持続(ガリウムは数週間、TPW は数か月)。
- 認定セル相互比較を利用可能。
製品概要: ITS-90 定点セル
従来の密閉型凝固点セル
本物の一次温度標準をお探しでしたら、理論上の凝固温度にきわめて近く、安定した長期間のプラトーが実現できる金属凝固点セルをお勧めします。
フルーク・キャリブレーションの金属凝固点セルは20年以上にわたる一次標準での経験の末に生まれたモデルです。フルーク・キャリブレーションは金属定点セルの開発における経験ではどこにも負けません。だからこそフルークのセルは世界中の国家標準室で使われているのです。
フルーク・キャリブレーションのセルは、非常に清潔な最新のラボで、純度が少なくとも99.9999 %、多くの場合99.99999 %の金属が入った高密度、高純度黒鉛の容器を使用して注意深く組み立てられています。この容器を、一旦真空にした後に高純度のアルゴン・ガスを充填された石英ガラスの筒に入れ、特殊な技術を用いてセルを凝固点で密封します。圧力の補正を正確に行うため、アルゴン・ガスの圧力は正確に測定、記録されています。
製造後は全セルを試験し、金属純度の分析結果が添付されます。通常サイズのITS-90 定点セルは全て、フルークの一次標準室でさらに厳しい試験を受けます。ここでは融解・凝固曲線を実現させ、詳細な「スロープ分析」を行なってセルの純度を確認します。さらに詳細なデータが必要でしたら、オプションで比較校正をお付けすることもできます。
ガリウム・セル
ガリウム・セルは温度計(SPRTなど)のドリフトを検証する際のリファレンスとなります。また、環境モニターやライフ・サイエンスにおいて、室温や体温に近い温度でセンサーを校正する際にも使用されます。
フルーク・キャリブレーションの5943 ガリウム・セルは、ステンレス製の容器に密封されています。高純度(99.99999 %)のガリウムがプラスチックと金属のセルに封入されており、ステンレス容器には純粋なアルゴン・ガスが融点での標準環境で充填されています。
ガリウムは凝固すると3.1 %膨張しますので、セルの材質には柔軟性が求められます。フルークのセルはPTFEは使用しておらず、気体を通さないため、吸出や再充填は必要ありません。さらに、少なくとも5年は不確かさ < 0.1 mKを保証します。また、9230 メンテナンス装置と組み合わせると、定点の実現、維持を自動化することができます。9230では融点のプラトーを8日間維持することができます。さらに5分程度の操作で新たな融点のプラトーを毎週自動で実現することができます。
ウォーターセル
0 ℃での校正にはシンプルなアイス・バスがよく使用されますが、温度勾配、純度、再現性などの問題や、製造および測定方法の違いなど、アイス・バスでの校正には限界があります。水の三重点ならこれらの問題を解決できるだけではありません。水の三重点はITS-90の中で最もよく使われる温度です。
フルーク・キャリブレーションでは通常サイズの水の三重点(TPW)セルを3種類取り扱っていますが、どれも国家標準室で使われており、公表されている不確かさ仕様±0.0001 ℃よりも優れていることが証明されています。ドライ・アイスや液体窒素、アクセサリのイマージョン・フリーザーを使ってアイス・マントルを形成し、フルーク・キャリブレーションのバス7012または7312でメンテナンスすれば、アイス・マントルは最大2ヶ月維持することができます。
開放型金属セル
フルークの開放型金属定点セルは、密封型セルと同じ材質、方法で製造されており、標準室内の圧力制御システムに接続するための高品質バルブが付いています。このようなシステムを使用して、セルでの測定中に純粋な不活性ガスの吸出し、充填、パージを何度か繰り返してから再び調整された圧力レベルに戻すことができます。
組み立ておよび試験後、フルーク・キャリブレーションでは全てのITS-90 開放型セルにさらに厳しい試験を行い、試験データを付けて出荷します。
開放型セルではセル内の圧力を測定することができるため、圧力補正による不確かさを最小限に抑えることができます。測温諮問委員会(CCT)は開放型セルの使用を推奨しています。開放型セルは高精度なSPRTの校正や、圧力による影響を評価する必要があるような場合にも使用されます。
セルの高さはガス・バルブとの接続がしやすいように設計されています。純度の高い石英ウールによる絶縁と、4枚の高純度黒鉛ディスクにより、金属から圧力制御システムへの熱の流出を防ぎ、セル内の垂直軸温度勾配を最小に抑えます。各セルの外径は50 mm、高さは600 mmです。(銀および銅セルは700 mm)
フルーク・キャリブレーションの一次温度標準機器はどこにも負けない豊富なラインナップを取り揃えています。不確かさを減らすことが目的でしたら、ぜひフルークにご相談ください。
仕様: ITS-90 定点セル
仕様 | |||||||||
モデル | 定点 | スタイル | 温度(°C) | 外径 | 内径 | 外側セルの全高 | 深度‡ | セルの不確かさ(mk、K=2) | 成績書の不確かさ(mK、k=2)† |
5900 | 水銀 | ステンレス鋼 | –38.8344 | 31 mm | 8.2 mm | 470 mm | 200 mm | 0.2 | 0.25 |
5904 | インジウム | 密閉型石英ガラス | 156.5985 | 48 mm | 8 mm | 285 mm | 195 mm | 0.7 | 0.7 |
5905 | スズ | 密閉型石英ガラス | 231.928 | 48 mm | 8 mm | 285 mm | 195 mm | 0.5 | 0.8 |
5906 | 亜鉛 | 密閉型石英ガラス | 419.527 | 48 mm | 8 mm | 285 mm | 195 mm | 0.9 | 1.0 |
5907 | アルミニウム | 密閉型石英ガラス | 660.323 | 48 mm | 8 mm | 285 mm | 195 mm | 1.3 | 1.8 |
5908 | 銀 | 密閉型石英ガラス | 961.78 | 48 mm | 8 mm | 285 mm | 195 mm | 2.4 | 4.5 |
5909 | 銅 | 密閉型石英ガラス | 1084.62 | 48 mm | 8 mm | 285 mm | 195 mm | 10.1 | 12.0 |
5924 | インジウム | 開放型石英ガラス | 156.5985 | 50 mm | 8 mm | 596 mm | 195 mm | 0.7 | 0.7 |
5925 | スズ | 開放型石英ガラス | 231.928 | 50 mm | 8 mm | 596 mm | 195 mm | 0.5 | 0.8 |
5926 | 亜鉛 | 開放型石英ガラス | 419.527 | 50 mm | 8 mm | 596 mm | 195 mm | 0.9 | 1.0 |
5927A-L | アルミニウム | 開放型石英ガラス(ロング) | 660.323 | 50 mm | 8 mm | 696 mm | 195 mm | 1.3 | 1.8 |
5927A-S | アルミニウム | 開放型石英ガラス(ショート) | 660.323 | 50 mm | 8 mm | 596 mm | 195 mm | 1.3 | 1.8 |
5928 | 銀 | 開放型石英ガラス | 961.78 | 50 mm | 8 mm | 696 mm | 195 mm | 2.4 | 4.5 |
5929 | 銅 | 開放型石英ガラス | 1084.62 | 50 mm | 8 mm | 696 mm | 195 mm | 10 | 12.0 |
5943 | ガリウム | ステンレス鋼 | 29.7646 | 38.1 mm | 8.2 mm | 250 mm | 168 mm | 0.1 | 0.1 |
†国家標準室向けの、低い不確かさの成績書についてはご相談ください。 ‡深さは、ウエルの底から定点物質の上部までを測定しています。 |
モデル: ITS-90 定点セル
水銀定点セル、ステンレス・スチール
インジウム定点セル、密閉型石英ガラス
スズ定点セル、密閉型石英ガラス
亜鉛定点セル、密閉型石英ガラス
アルミニウム定点セル、密閉型石英ガラス
銀定点セル、密閉型石英ガラス
銅定点セル、密閉型石英ガラス
インジウム定点セル、開放型石英ガラス
スズ定点セル、開放型石英ガラス
亜鉛定点セル、開放型石英ガラス
アルミニウム定点セル、開放型石英ガラス、ロング
アルミニウム定点セル、開放型石英ガラス、ショート
銀定点セル、開放型石英ガラス
銅定点セル、開放型石英ガラス
ガリウム・セル、金属ケース
銀定点セル認定比較校正
インジウム・セル認定比較校正
スズ・セル認定比較校正
亜鉛セル認定比較校正
アルミ・セル認定比較校正
マニュアルおよびリソース: ITS-90 定点セル
- Achieving 0.25 mK Uncertainty with an Integrated-Circuit Resistance Thermometer Readout
- Comparison Between Melting and Freezing Points of Aluminum and Silver
- Comparison Between Melting and Freezing Points of Indium and Zinc
- Demonstrating Competency and Equivalency of Two Commercial SPRT Calibration Facilities
- Establishment of a Primary Temperature Standards Laboratory
- Experimental Study and Computer Modeling of the Triple Point of Argon System
- Quality Control of Fixed-Point Cells During Manufacturing
- Realization of ITS-90 from 273.15 K through 1234.93 K:
- SPRT Calibration Uncertainties and Internal Quality Control at a Commercial SPRT Calibration Facility
- Study of the Influence of Inducing Nucleation on the Performance of the Freezing Temperature Plateau of Metal Fixed-Point Cells
- The Melting Point of Tin