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メトロロジー・ウエル校正器  9170 シリーズ

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メトロロジー・ウエル
工業用熱源の性能に重要な項目として、次の6つの要素が挙げられます。これらの要素についてヨーロッパのEA(European cooperation for Accreditation)がそのガイドラインEA-10/13の中で触れています。
@校正された表示確度
A安定度
B軸方向(垂直軸)均一度
C放射方向(ウエル間)均一度
D負荷の影響
Eヒステリシス
さらに、ITS-90温度プローブ読み取り用基準温度計入力(オプション)という第7番目の要素を付け加え、まったく新しい製品であるメトロロジー・ウエルが開発されました。メトロロジー・ウエルは、EA-10/13のあらゆる性能カテゴリーに取り組み、かつその公表している仕様を満足する市場で唯一の工業用熱源です。
表示確度
ドライウエルは通常、「校正されたPRT」をウエルのひとつに挿入し、ドライウエルに内蔵された制御センサーをPRTの読みに基づいて調整して校正します。これはある限界値を持ちます。基準に用いるPRTに特有の特性値は、ドライウエル校正器によって校正される温度プローブのそれとはまったく異なることが多いからです。これは、ドライウエル金属ブロック内に大きな温度勾配が存在することにより、また簡単に言うと短すぎいるといったセンサーの不適切な浸没度により複雑化します。
メトロロジー・ウエルは「校正された表示」をより意味のあるものとして使用できるよう、温度勾配、負荷効果、ヒステリシスを最小限に抑えています。ハートはメトロロジー・ウエルの校正にトレーサビリティがとれかつ認定されたPRTのみを用いています。また独自のエレクトロニクスは、仕様(最頻使用温度で±0.1 ℃、661 ℃で±0.25 ℃)よりい10倍以上良い繰り返し確度を常に示しています。
もっと良い確度が必要な場合には、オプションでハートの1502Aツイナー・サーモメーターの測定回路を組み込み可能です。このオプションの内蔵基準温度計入力には、100 Ω、25 Ω、10 ΩPRTを接続でき、0 ℃では±0.007 ℃の確度で、661 ℃では±0.027 ℃の確度で外付け基準温度プローブの出力を読み取り可能です(プローブによる誤差は除きます)。この温度計入力はハートが販売する全PRTプローブに適合し、5ピンのDINコネクターでメトロロジー・ウエルに接続できます。
1502Aツイナーの測定回路とその他の多くのドライウエルに内蔵の測定回路とを劇的に区別しているもののひとつは、ツイナー測定回路は基準温度プローブに特有のITS-90特性係数を利用しますので、プローブの確度を最大限に生かせることです。もうひとつは、ツイナー測定回路(内蔵基準温度計入力)にはトレーサビリティのとれた認定校正が付属していますので、測定全般にわたって完全な信頼性を確保できることです。
安定度
メトロロジー・ウエルは優れた安定度で知られる他のハートの熱源をさらに上回る安定度を実現します。より安定な熱源を得ようとすると、それらは液体バスや一次標準の定点セルでしか得られません。低温側の二機種(9170、9171)の安定度はフル・レンジで±0.005 ℃です。高温ユニットの9173ですら700 ℃で±0.03 ℃の安定度です。
軸方向均一度
EA-10/13ガイドラインでは、通常、ウエル底部で40 mmの最高温度均一ゾーンを持つことが奨励されていますが、メトロロジー・ウエルは、独自のエレクトロニクスとデュアル・ゾーン制御、およびかつてのドライウエルにはなかったウエル深度とにより、60 mmにわたる温度均一ゾーンを実現しています。
放射方向均一度
ウエル間の温度差です。不適切に設計された熱源や、太い径のプローブ使用時には、この温度差は極めて大きくなります。メトロロジー・ウエルの放射方向(ウエル間)均一度の仕様は、6.4 mmまたはそれ以下の径の任意のふたつのウエルの軸方向均一ゾーン間の最大温度差として定められています。
負荷
負荷効果は、基準プローブ用ウエル以外の全ウエルにプローブが挿入された後、ウエルの底部まで挿入された基準温度プローブによりセンスされた温度変化として定義されています。メトロロジー・ウエルの負荷効果は、軸方向の温度勾配が最小に抑えられているのと同じ理由で最小化されています。ハートはいかなるドライウエルよりも深いウエル、また独自のデュアル・ゾーン制御を用いています。
ヒステリシス
温度ヒステリシスは、特性の優れた基準温度PRTよりも内部温度制御センサー内にはるかに多く存在します。温度ヒステリシスは、ある温度設定ポイントに高温側と低温側の二方向から近づいたときの基準プローブによる測定値の差によって表され、通常は熱源がカバーする温度範囲の中間点で最大になります。温度ヒステリシスが存在する理由は、内部制御センサーは通常壊れないよう丈夫に作られていて、SPRTや多くのPRTのような歪のない設計になっていないためです。メトロロジー・ウエルのヒステリシスは、±0.025 ℃から±0.07 ℃の範囲にあります。
浸没度
浸没度は軸方向温度勾配と負荷効果を最小にするのに有用なうえ、熱源で試験される温度プローブ独自の浸没特性に対応するのに役立ちます。浸没特性としては、プローブ内の実センサー位置、寸法、プローブの幅や熱量、センサーをプローブの外へ導くリード線がその要因として挙げられます。ウエルの深さは9171、9172、9173で203 mmです。9170は−45 ℃の温度に容易に到達できるよう、160 mmになっています。
その他の大きな特徴
大きなLCD表示器、数値キーパッド、オン・スクリーン・メニューは、操作を容易にし、かつ直感的なものにしています。表示器には、(内蔵制御センサーによる)金属ブロックの温度、外部基準温度プローブの温度(内蔵基準温度計入力オプション)、遮断温度、安定度の尺度、ランプ・レートなどが表示されます。
全モデルにRS-232シリアル・インターフェイスと9930 Interfac-it ソフトウェアが付属し、RTD(測温抵抗体)、熱電対、サーミスターを完全自動校正する9938 MET/TEMPUソフトウェアに対応しています(内蔵基準温度計入力オプション付きメトロロジー・ウエルのMET/TEMPUソフトウェアへの対応は、2006年初頭です)。
メトロロジー・ウエルはPCなしでも4種類のあらかじめプログラムされた校正作業を実行可能です。このプログラムでは、最大8ポイントの温度を設定し、それらポイント間の「ランプ、ソーク」時間を設定可能です。サーマル・スイッチのデッド・バンドに照準を合わせた自動「スイッチ・テスト」プロトコルもあります。℃/°F専用のボタンは温度単位の切り替えを容易にしています。
メートル法、あるいはヤード・ポンド法表記のプローブ径に対応した6種類の標準インサートを本体とともにご注文可能です。メトロロジー・ウエルは持ち運びするのに十分小型でかつ軽量です。
9170
シリーズの最低温側をカバーし、通常の室温状態で-45 ℃まで到達します。安定度は全温度範囲(最高140 ℃)で±0.005 ℃で、浸没度は160 mmです。±0.02 ℃の軸方向均一度と±0.01 ℃の放射方向均一度により、極めて優れた不確かさバジェットを達成していますので、製薬その他さまざまな分野におけるアプリケーションに最適です。
9171
もっと大きな深度が必要ならば、-30 ℃から155 ℃の温度範囲で203 mmの浸没度を持つ、9171をお選びください。安定度はフル・レンジで±0.005 ℃です。9170と同様、非常に優れた軸方向、放射方向均一度を持っています。表示は、フル・レンジで±0.1 ℃の確度で校正されています。

9172
35 ℃から425 ℃の温度範囲をカバーします。校正された表示確度は425 ℃で±0.2 ℃です。非常に優れた確度に加え、温度により±0.005 ℃から±0.01 ℃の範囲で安定です。203 mmの浸没度により、高温における熱の軸伝導誤差を著しく低減しています。

9173
50 ℃から700 ℃の温度範囲の作業では、比べるもののない性能を発揮します。表示確度は660 ℃で±0.25 ℃、浸没度は203 mmです。この安定度と均一度の性能は、高温における温度プローブ校正において、不確かさバジェットを著しく低減させています。



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